最近いっぱい学会発表してます、サイトーです。
大学院生は年に一回程度は先生から学会発表するように命じられると思います。
また、学部生でもそれなりに成果を出している学生は卒業論文の仮まとめとして学会発表に駆り出されることもあるでしょう。
サイトーの場合は先生が幹事の学会が年明けくらいにあったので、特に成果も無いのに出ることになりました。辛かった。
サイトーは学会発表するくらいなら就活に時間割いたほうが良くね?って考えなので、なおのこと辛いところがありました。
そんな辛く苦しい学会発表でよく用いられる発表形式がポスター発表と口頭発表という発表形式なのですが、今回はポスター発表について解説していきたいと思います。
学会発表することになって「ポスター発表?なにそれ?」となっている学生もこの記事を見れば大枠は掴めるようになっているのではないでしょうか。
ポスター発表とは?
ポスター発表とは読んで時のごとく、研究内容をポスターにまとめて発表する形式です。
発表風景を見たければグーグルで「学会 ポスター」でイメージ検索するだけでいっぱい出てきます。
ポスター発表は2時間から数時間程度のまとまった時間があり、その時間中に自分のポスター(=研究内容)に興味を持った人がポスターの近くにいる著者(=あなた)に質問したり議論したりする発表になります。
つまり、席に座って見るような観客は居ないので興味を持ってもらえるように自分からアプローチする必要があります。
正直なところを言うと学部卒、修士卒で就職するなら特に能動的に動かなくても対してデメリットは無いんですがね。
何も動かないデメリットは強いて言うならクッソ暇ってくらいでしょうか…?
ちなみにサイトーはわざわざポスターを刷るのが面倒くさいので、パワーポイントのスライドを12枚繋げて1枚のポスターとして貼ってます。
パワポでやるとスライドごとにまとまっているので、「〇〇ってどんな仕組みなんですか?」みたいに質問が来たときでも対応が簡単になります。
あと一枚ポスターで作ると1から説明する時にただ文字を読むだけになりがちなので、スライドでほとんどイラストと図とグラフが占めているポスターを作ると直感的に理解してもらいやすいのがメリットです。
なぜポスター発表するの?
ポスター発表は企業の人や研究者が自分の知見を広げたり、学生が他の人の研究を見て自分の研究にフィードバックしたりすることが目的です。
細かくリスト化するとこんな感じです。
- 自分の研究を他の人に公開する
- 自分の考えの妥当性を知る
- 自分の知識を広げる
- (研究者目指すなら)人脈を広げる
- (ごく一部)リクルート活動
それぞれについて解説していきます。
自分に研究を他の人に公開する
一応ポスター発表も発表の一環ですので、自分の研究内容を広く公開することが一つの目的です。
「こんなテーマで研究するよー」と言うことで「おっ、ちょっと見てやるか」と興味を誘って色んな人を呼び込んだり、議論したりしてそれぞれの考えのもとに議論します。
また「研究成果をまとめて発表する」という性質上、今までのまとめをする目的にも使われることがあります。
卒業論文や修士論文の発表前に行われる学会では、割と卒論(修論)のまとめだなぁって感じの発表を見ることが出来ます。
結構レベルが高いことが多いので、プレゼン技術やスライドの構成などを盗んで自分の糧にできるひとは非常に成長出来ると思います。
サイトーのような不真面目学生は研究してますよっていうポーズのために出てますが、これはレアケースです。
自分の考えの妥当性を知る
自分の研究内容を他の人に公開すると、基本的には自分の研究分野に関連した研究を行っている先生や学生が大挙して押し寄せてきます。(実際には数人程度ですが発表者にとっては押し寄せてくるように見えます)
そこで議論を深めることによって自分の考えについて知ることが出来ます。
他人から見た時に自分の考え方がどのように見られているかという点は非常に重要で、研究室内で凝り固まった考え方に新しい風を吹き込んでくれます。
もちろん自分の考え方が完全に論破されることもあるので、メンタル面も鍛えられることでしょう。
サイトーは「サンプルを測定した結果、このピークが出ているので目的のものが出来ている」という結論で締めた発表に「そのピークはそれ由来じゃないよ」って言われて完全論破されたことがあります。
今思えばその人の前提条件が食い違っていたのでそこまで気に病むことではなかったのですが、サイトーは結構思い悩んでしまいましたので、皆さんは気に病むくらいなら「ほーん」って聞き流すくらいで丁度いいのではないでしょうか。
なにはともあれ、自分の考えの妥当性は他の人を納得させる上で非常に重要です。
ですので、一度に様々な人と意見を交換できるポスター発表はたたき台として有効なのです。
自分の知識を広げる
ポスター発表では自分のポスターを掲示するだけではなく、他のポスターを見に行くことも出来るので、自分の知識を広げるためにも有用です。
大概のポスター発表では似たような研究をやっている人たちでまとめられるので、隣のポスターを見るだけでも様々な知見を得ることが出来ます。
同じものを作ろうとしている人でも合成方法が違ったり、材料が違ったりと、必ず違う点が見つかるはずです。
もし全部同じだったら…早く違う研究に切り替えたほうが良いかもしれませんね。
少なくともサイトーは全く同じ研究内容を発表しているところを見たことはないので、多分大丈夫だと思います。
研究は新規性が何よりも大事なので、二番目では全ての価値が無くなります。
そういう意味でも、知識を広げて他の人がどんな研究をやっているのかを知ることが重要であることが分かると思います。
(研究者目指すなら)人脈を広げる
研究者を目指す人なら人脈を広げることも重要なミッションです。
同じ分野の研究を行っている先生は、もしかしたら自分が提出した論文の査読を行うかもしれません。
その時にある程度認識の共有がされていれば、自分の論文における問題点までスムーズに指摘してもらうことが出来ます。
分野こそ同じであっても、研究というものは新規性が重要なので同じような論文は二度と上がってきません。
ですので、実験方法から結果と考察までびっちり見るのは非常に骨が折れる作業です。
しかし、ある程度既に内容を知っているのであれば結論までのあらすじが分かるはずなので、それを補強するために何が必要なのかをさっさと伝えることが出来るわけですね。
時間は有限ですから、研究者としてご飯を食べていこうとするのであれば人脈を広げておくことをオススメします。
(ごく一部)リクルート活動
これもまたレアケースではありますが、企業の人のリクルート活動も行われているようです。
企業側から共同研究を持ちかけて研究室の人材にアプローチすることで、企業の研究分野に関する知識を持った人材をローコストで取り入れることが出来るので、手法としては合理的ですね。
ただ、実際サイトーの周りでそんな声かけをもらった人は居ないようです。
そりゃ普通は一番最初に教授に話を通すのが筋ってもんですからね。当然っちゃ当然です。
まとめ
今回は初めて学会発表をすることになった学生に向けてポスター発表にはどんな意義があるのかという解説をしました。
ポスター発表に限らず、全てのことには初めてが存在します。
どんな達人でも最初は初心者なので、皆さんも新しいことにどんどんチャレンジすればじきに慣れてポンポン発表できるようになります。
ですので、もし学会発表することになっても臆せずトライしていきましょう!
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