大学院に進学するにあたって仕送りが減ったり無くなったりする人は多いです。
そのため、奨学金を借りたいと考えている学生の方は多いでしょう。
しかし、奨学金と言ってもよく分からない方がほとんどだと思います。
今回は、奨学金について借りられる金額やどんな種類があるのかなどを解説していきます。
結論は以下の通りです。(修士or博士前期の場合)
- 奨学金はJASSO(日本学生支援機構)から借りるのが一般的
- JASSOの奨学金は第一種(無利子)と第二種(有利子)の二種類
- 大半の大学院生は第一種(無利子)が通る
- 借りられる金額は第一種で月額88000円か月額50000円、第二種で月額50000円から150000円の間
- 振り込みは基本毎月11日(ただし進学して初めて振り込まれるのは5月以降)
博士課程の人は借りられる金額が変わりますので注意してください。それ以外は基本的に変わりません。
奨学金を借りるべきなのかについては「大学院では奨学金を借りるべき?」で解説していますので、あわせてご覧ください。
学費をどうにかするためにお金を借りるなら?ということで、奨学金と教育ローンを比較した解説記事もありますので、「教育ローンと奨学金借りるならどっち?」も一緒にご覧ください。
奨学金とは?大学院では返済免除も?
奨学金とは経済的な理由で進学を諦めてしまう優秀な学生に進学してもらうためのものです。
日本における奨学金は基本的に借金であり、これは学部生も大学院生も変わりません。
この借金による奨学金を一般に貸与型といい、返済の必要がない給付型と明確に区別されます。
最近になって給付型の奨学金を増やそうという動きが出てきていますが、受給するのが一般化するにはまだまだ道のりが遠そうです。
大学院に進学した学生がお世話になる可能性が一番高いのが、JASSO(日本学生支援機構)というところの奨学金です。
先ほど”日本の奨学金は基本的に借金だ”という話をしましたが、JASSOの奨学金は大学院生だけ返済免除の可能性があるのです。
返済免除の対象としては「その大学内の奨学生のうち」上位約1割が全額、その下の2割が半額分返済免除になります。
10人奨学生がいたら、1位は全額免除、2,3位は半額免除になるわけですね。
なお、奨学生の順位は学会発表や論文投稿などの成果を得点化して付けられます。
ただし、返済免除の対象になるのは第一種奨学金のみですので注意してください。(種類については後述)
免除の割合については今までの傾向の話であって確実なものではありませんが、これからも同様の傾向が続くものと考えています。
ちなみに令和元年度の返済免除に関する結果はこのようになっています。
なお、このグラフはJASSOの令和元年度返還免除の認定についてで公開されているデータから作成したものです。
修士課程の全額免除は少し厳しくなっていますが、その分半額免除の人数が増えて合計では3割が何かしらの免除を受けられていますね。
JASSO(日本学生支援機構)とは?
これまでJASSOというワードが何回も出てきましたが、JASSOとは何なのでしょうか?
JASSOとは正式名称を日本学生支援機構といい、その名の通り学生の支援を経済面から行う機構です。
2004年に発足する前は日本育英会という名前であったため、親御さんに説明する際は日本育英会と言ったほうが通じやすいかもしれません。
学費を調達する方法としてはJASSO以外にも国や銀行で取り扱っている教育ローンなどがありますが、同じ金額を借りるのであれば金利の面から言って圧倒的にJASSOの方がお得です。
詳しくは教育ローンと奨学金借りるならどっち?で比較して解説していますので、ぜひご覧ください。
JASSOの奨学金を借りる方法は?
JASSOの奨学金を借りるためには奨学生として採用されなければいけません。
基本的に学校側から説明会などの案内があるはずなので、掲示板やメールなどの通知を見逃さないようにしましょう。
奨学生として採用されるためのルートは大きく分けて予約採用と在学採用の二つがあります。
予約採用は進学前から「奨学金を借りたいです!」とJASSO側に伝えて採用される方法で、在学採用は進学してから「奨学金を借りたいです!」と伝える方法です。
予約採用でも在学採用でも採用されるかどうかの基準は変わりませんが、予約採用の方が最初の奨学金を早く受け取れる傾向にあります。
予約採用だと5月に4,5月分が一気に振り込まれて、在学採用だと6月に4,5,6月分が一気に振り込まれるイメージですね。
また、学費を払ってくれていた方が突然亡くなったり、地震や津波などの天災で生活が急変したりした人のために緊急採用(応急採用)というものもあります。
もし何か困ったことが起きた場合にはすぐ大学に相談するようにしましょう!
案外どうにかするための手段を親身に考えてくれます。
JASSOで大学院生が借りられる金額は?
JASSOで借りられる奨学金には第一種と第二種の二種類があります。
これは利子が付くかどうかの違いです。
第一種奨学金は無利子なので借りただけ返せばそれで終わりですが、第二種奨学金は利子を付けて返す必要があります。
利子をつけないといけないなら第一種がいいな・・・でも無利子ってことは条件が厳しそう・・・
こう思う方も多いと思いますが、大学院生の場合ほとんどの人が成人済みなので本人(もし居たら旦那さんor奥さんも)の収入のみで判断されます。
そして学生なので基本的にはそこまで収入が多い人は少ないでしょう。
ちなみに大学院修士課程の場合では収入が299万円以内であることが一つの基準になっています。
副業を頑張っていたり、社会人から入学されたりする人を除けば、既に300万円以上稼いでいる方はかなりレアなので、大学院の奨学金は基本的に希望者全員が第一種を受けられると思って大丈夫です!
そんな奨学金ですが、第一種と第二種で借りられる金額が下のように変わります。(修士課程の場合)
第一種奨学金 | 50000 | 88000 | – | – | – |
第二種奨学金 | 50000 | 80000 | 100000 | 130000 | 150000 |
上の表は月額の金額なので、それぞれ24倍すると貸与総額になります。
総額にすると下の表のようになります。
第一種奨学金 | 120万 | 211.2万 | |||
第二種奨学金 | 120万 | 192万 | 240万 | 312万 | 360万 |
総額にすると非常に大きい金額になることが分かりますね。
奨学金を借りる際は「この金額が本当に自分に必要なんだろうか?」と自分に対して強く問いかける必要がありますね。
JASSOの奨学金はいつから何日に振り込まれる?
JASSOに奨学生として採用されても、いつ振り込まれるのかが分からないと心配ですよね?
そんな心配をしないで済むように事前に知っておきましょう!
JASSOの奨学金は入学した年の4月にすぐ振り込まれるわけではありません。
大体最初の振込は、予約採用の人で5月、在学採用の人で6月が最短です。
書類の提出が遅れたり、手続きの順番によってはそれよりも遅くなる可能性も十分考えられます。
しかし、振り込まれないからと言って没収されているわけではないので安心してください。
遅れた分は最初の振込で一気に入ってきますので、少し気長に待つのが良いでしょう。
振り込まれる日は基本的に毎月11日で、11日が土日や祝日だった場合はその前に振り込まれます。
例外として、4月と5月は11日より遅い日程になることが例年ですので、カードの引き落としなどで慌てることが無いようにしましょう。
ちなみに基本的な振り込みスケジュールはJASSOのホームページで確認できます。
まとめ
今回は大学院への進学を控えていて奨学金を借りようとしている方に向けて、記事を書きました。
主にJASSOのことを書きましたが、大学独自の奨学金や企業が募集している奨学金などは多数存在しているので、ぜひ大学の内外を問わずに探してみてください。
条件にマッチさえすれば非常にお得な奨学金が見つかるかもしれませんよ?
それでは。
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