せっかく研究室に配属されて研究を進めてそろそろ卒業だ!って時に立ちはだかるのが卒業論文です。
でも卒業論文ってどう書いたらいいか分からないですし、配属されたばかりの学生ならどうやって研究を進めればいいか分からないですよね。
ついに研究室に配属されたけど何したらいいのかさっぱり分からないっす
自分の実力的にちゃんと論文書けるか心配・・・
配属されたての学生から、卒業を控えた学生までこんな悩みを抱えている学生は多いと思います。
それなので、自分の復習がてらにズラズラと書き記していこうと思います。
どういう風に研究を進めていけば良いのかを欠片でも掴んでいただけたらなと思います。
結論としてはゴールを自分で設定してどうやって達成したのかを書いたら立派な卒業論文の出来上がりになります。
あなたの研究目的はなんですか?
この質問に答えられる学生って思いの外少なくて、言われたから取り敢えず実験してるって人が割と居るんですね。
それだから、卒論発表とかで研究目的のスライドを作るのに苦労する訳です。
少なくとも、工学系の研究室に配属されている時点で、あなたの指導教員は博士号を持っていることがほとんどです。
つまり、あなたの先生は一人で研究の川上(研究テーマの策定)から川下(解決のアプローチや難易度調整)まで「あなたに合わせて」フルアジャストできる人材なわけです。
それなので、絶対に先生が与えてきた研究テーマには
- 研究背景
- 現在の課題
が明確に存在しているはずなのです。
だからこの情報を確実にゲットしてください。この2つの情報があれば研究目的を述べることは非常に簡単になりますので、研究目的のスライド作るときはちょいちょいっと書くだけにすることが出来ます。
ベースとしては
「現在、(研究背景)となっており、その(研究背景)では(現在の課題)が課題となっています。本研究では、この課題の解決を目的としています。」
って言えば少なくとも学部生の卒論発表では及第点でしょう。
発表の完成度はいくらでも高めることが出来ますから、このように発表した所でどうせ先生に詰められるのは変わりませんが、論理的思考力を養う上で課題の明確化は必須ですので、「どうせ詰められるならやらんでいいじゃん」と疎かにしないようにしましょう。
研究目的を達成するためにどうやってアプローチしますか?
この質問は、1.で述べた質問に対してちゃんと答えられるようにするために明確化する必要がある質問です。あと実験方法の妥当性をここで示す必要があります。
例としては雑ですがセンサー材料の研究をしているとして
「 使い捨て出来る衛生的なバイオセンサー欲しいけど、今のセンサーはデカいし高いしで困ったわ~」
という状態だとしましょう。そして、この研究背景におけるセンサーの課題点としては
- デカい(小型化の要請が大きい)
- 高い(価格の低減が急務)
が挙げられますね。2つある課題のうち、片方に注目して解決するのか、両方の課題点を一気に解決できる方法で解決するのかがまず重要となります。
それぞれの課題点における解決方法としては
- デカい
- センサー部の省面積化
- センシティビティ向上
- 高い
- 製造プロセスの簡略化
- オルタナティブ材料の創生(他の安い材料使って作る)
というものが考えられます。
このときに、あなたは「デカい」の課題を解決したいのか、「高い」の課題を解決したいのか、両方とも解決したいのかということを明確にする必要があります。
解決したい課題が明確になれば、自ずと実験方法も定まる(=先生から与えられた実験方法の意味が分かる)はずです。
大体のゴールはどこら辺にしますか?
ぶっちゃけ、学部生の研究なんて就活やら院試やらで夏休み辺りまでは殆ど進められません。
つまり、あなたの研究における最終目的は絶対にと言っていいほど達成されません。
となると必要なのが「どこで切り上げるか」というメルクマールです。
2.みたいにセンサー材料の研究をしているとして考えられるゴールとしては
- 新規テーマの立ち上げ直後だから取り敢えず材料作れればゴール
- 将来性のある材料を引き継いだからセンサー特性を明らかにすればゴール
- なんか上手く作れないっぽいから最適な実験条件を出せればゴール
- メリットが異なる材料で実験してコンポジット化に成功すればゴール
があります。
それなので、「現在の状況把握」と「ゴール地点の設定」さえできればそれなりに実りのある卒業論文が書けるのではないでしょうか。
あとは実際に行った実験やシミュレーションを載せれば立派な卒業論文の完成です。
最後に
初めてのことなんて大抵上手く行かないものです。キツくなったら先生に相談するなり一度逃げてみるなりしてもバチは当たりませんので、軽く考えてみるのも良いものですよ。
実際問題、学部生の卒論を判定するのは指導教員一人なことが殆どです。(大学院生だと複数人の教授陣からジャッジされますが…)
つまり、最悪でも枚数だけ揃えた紙を「卒業論文です」って言いながら提出すればどうにか出来ないことも無いわけなので、もし単に「めんどくせー」って考えてるだけなら取り敢えず実験したりプログラミングしたりするのをオススメしますよ。
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