中間発表に戦々恐々としています、サイトーです。
〇〇くん!学会に出よう!
こんな感じで先生から言われたら学生側は拒否なんて出来ませんよね・・・
でも、ふとこうやって思ったことはありませんか?
でもなんで学会なんて出ないといけないんだろう?
そうなんです。別に学会に出なくても卒業は出来るはずなんです。
それなのに、なんで先生は学生に「学会に出ろ!」なんて言うのでしょうか?
今回はそんな学会に出る目的や得られるものについて解説していきます。
結論をざっくりまとめると、学会に出ると自分の研究の棚卸しが出来る上、資料作成能力やメンタル面の成長が見込めるから学会に出されます。
まぁ成長が出来る分、ガッツリ追い込まれますけど仕方ないですね。
学会に出る目的
まず、表立って言われる学会に出る目的はこの様な感じになっています。
- 自分が出した結果を皆に知ってもらう
- 周囲の研究がどのような状況なのかを知る
- 自分の優秀さをアピールする
自分が出した結果を皆に知ってもらう
せっかく研究をして結果を出しているにも関わらず、その結果を研究室内に秘めているのは他の人の研究を遅らせていると言えます。
誰かが既にやったことを他の人がやった所で基本的には無駄ですからね。
そのため、自分が出した結果を皆に知ってもらうことで知識や知見の共有を図り、それぞれの研究にフィードバックするのが学会の目的の一つとなっています。
まぁアカデミックに行く気のない学生には関係ないんですがね。
逆に言えばアカデミックに行くかもしれないと考えている学生は、学会の活用方法として覚えておくと良いでしょう。
せっかく貴重な時間を使って学会発表するのですから、多少は有効活用してあげないと損ですからね。
周囲の研究がどのような状況なのかを知る
自分の研究成果を皆に知ってもらうことも重要ですが、逆に他の人がどのような研究をしていてどのような結果が得られたのかという情報の収集も重要なポイントの一つです。
誰かが既にやったことを他の人がやっても無駄という話をしましたが、結果を出している人が隠している訳でもないのに探し当てることが出来なかったために、結果として同じことをしている例はあります。
そのように無駄なことをしないようにするために、他の研究者の人との交流をすることによって情報収集することが重要となります。
まぁこれもアカデミックに行く気のない学生には関係ないんですがね。
周囲の研究がどうのという以前に、自分の卒業が掛かっているわけですから無駄に時間かけていられないですよね。
自分の優秀さをアピールする
学会では情報収集以外にも、自ら能動的に優秀さをアピールする場としての使い方もあります。
学会発表は基本的に「まだ論文としてまとめられないけれどもある程度の結果は揃っている」という人が出ることでディスカッションを行い、自分の研究にフィードバックさせます。
しかし、学生が出場する場合に関しては研究内容や進め方は先生が決めることが大半でしょうから、新しい知見や斬新な実験手法を学生が自分の手柄にするのは筋違いです。
ですので、ポスターの構成や発表の上手さで自分の優秀さをアピールしましょう。
そうやってアピールして何かの賞が取れれば就活のESや面接でのネタにもなるでしょうし、奨学金の免除においてもポイントとして考慮される場合があります。
優秀さのアピールはアカデミックに進む気があろうとなかろうとやっておいて損はないです。
学会発表を通して得られるもの
学会に出る目的は大体分かったけど、俺たちにどんなメリットがあるの?
学会発表を通じて学生が得られるスキルはこの様になっています。
- 聞いてくれる人を考えたプレゼン作成能力
- 人前に出られる度胸
- 指摘の嵐に耐える精神力
聞いてくれる人を考えたプレゼン作成能力
学会発表の会場には様々な専門分野の先生がいますが、全員が発表者の研究内容について熟知しているわけではありません。
そのため、発表者には専門分野以外の人にも分かりやすいプレゼンをすることが求められます。
これは言うは易し行うは難しの典型例で、実際にそのようなプレゼン資料を作ろうとすると非常に骨が折れます。
しかし、学会発表をするからにはやらなければならないので、プレゼン資料の作成能力が向上します。
専門外の人にも分かりやすいプレゼン資料を作るコツとしては、プレゼン資料は洗練されていくにつれて文章が無くなっていくことから、図と表をメインで置くようにすると良いでしょう。
人間が文字を読んで理解するまでには割と時間が掛かりますので、図を使って一発でイメージさせるようにしましょう。
プレゼン資料作成能力の向上はオーラル発表に限らず、ポスター発表をする場合でも同じ様な効果を得ることが出来ます。
例えば発表のまとめをポスターの下部にちょこんと書いている人が居ますが、あれは聴衆を考えていないデザインです。
実際にポスターを見回ると分かりますが、ポスターの下部にある小さい文字は非常に見辛くていちいち見ていられません。
ですから、聴衆のことを考えてポスター下部の文字は大きくするなどの対策が必要でしょう。
ポスター発表でもそのような対策を通じて、プレゼン資料の作成能力を向上させることが出来るということが分かりますね。
人前に出られる度胸
特に初めてのオーラル発表では非常に緊張します。
しかし、そのような緊張する場面を何回も経験することによって、人前に出て発表をするための度胸を付けることが出来ます。
緊張する場面で緊張しないようになるためには単純に場数が物を言うことが多いですが、多少は悪あがきしたいと言う人のために発表直前でも出来る緊張のほぐし方や緊張に対する考え方についてまとめた記事があるので、ぜひご覧ください。
ポスター発表でも、見知らぬ大人(しかも何かしらの専門家)と話す機会なんてなかなか無いでしょうから緊張します。
しかし、オーラル発表の時と同様に結局は場数を踏めば慣れるものです。
もしそのような度胸を付ける場面が会社に入ってからしか無かった場合を考えると、まぁまぁ大きなお金が動く場面で失敗できない状態からスタートすることになります。
それを考えれば、大失敗した所で誰も損をしないという点から多少はマシかなと思います。
指摘の嵐に耐える精神力
専門家の中にはいわゆる「やべーやつ」というのが結構居ます。
なまじっかその分野で専門家になれる程度には頭がいいので直接的な罵倒は絶対にしてきませんが、遠回しに「お前の出してるデータ本当に正しいの?」とねちっこく言ってくるのでめんどくさいです。
「じゃあお前がやれば?」と言いたくなる気持ちをグッと抑えて回答するので、メンタル面は鍛えられます。
また、学会前に発表練習をするかと思いますが、その時の担当教員は先程の輩よりも遥かにねちっこく聞いてくることでしょう。
対外的に発表するのは学生ですが、その発表内容に対して責任を持つのは担当教員ですから、論理展開がおかしかったり矛盾したりしている場合は確実に修正しなければなりません。
そのため、発表内容における穴という穴を全て塞ごうとしてボコボコにしてきます。
結果として同じ様にメンタル面が鍛えられます。
サイトーはそれで精神的に参ってしまった時期がありましたが、それを乗り越えられた学生は非常に大きな成長を得られるでしょう。
ちなみに病み期に書いた記事はコチラから見れます。
学会の裏目的
そんなこんなで色々な顔を持つ学会ですが、楽しい事もあります。
- 友達が増える
- 旅行が出来る
友達が増える
大きい学会なんかで自分と同じ研究をしている学生がいると割と仲良くなれます。
小さい学会でも懇親会という名の飲み会で何だかんだ仲良くなれます。
結果として友達が増えます。
飲み会で弄り倒した人が3個上の先輩だったり、その時に知り合った方と帰りの空港でバッタリ遭遇したりして割と楽しい懇親会を過ごしたこともあります。
ソロ派の人にはあまりメリットとは言えませんが、理系もコミュニケーション能力が必要とされている昨今ですから話せるときは話しておくことをオススメします。
旅行が出来る
その学会が開催されている場所が観光地(または近くに観光地がある)の場合に限られますが、学会参加ついでに時間が余れば旅行が出来ることがあります。
なお、鳥取で行われた学会では本当に何も見るものが無かったので牛骨ラーメンを食べたあとはホテルに籠もっていました。
そのような例外もありますが、基本的には何かしら観光スポットがあると思うので楽しんでみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は学会に参加して得られるメリットやスキルについて解説しました。
学会なんてめんどくせぇと感じている人は多いと思いますが、案外メリットもあるんだよということが分かってもらえたら幸いです。
それにしてもそのメリットを得るために必要なリソース多すぎだとは思いますが、まぁそれは仕方ないです。
頑張って食らいついていきましょう。
それでは。
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